花は野にあるように
「どうした?」


耳元からリョクの声が柔らかく、低く響いてくる。


この声も………好き。


「心細くなった?
百戦錬磨の親父に比べちまうと、まだまだ未熟だけどさ。
道具も完璧な装備じゃないけどさ。
少しでもミキを不安にさせないように、頑張るからさ。
今夜一晩だけ、俺とふたりきりでもいい?」


黙ったまま身体を寄せた僕の行動に、リョクはそんな言葉をくれて。


ふ、ふたりっきりでって………っ!


僕の頭の中で、止まらない妄想が暴走を始めそうになる。


これって………つまり………って事?
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