花は野にあるように
一晩、この山の中でふたりっきりっていう言葉が僕の頭のなかをグルグルと回って、僕の体温を上げちゃうような想像を掻き立てる。


うわぁん。


こ、心の準備がっ!


「ミキ?
顔が真っ赤だぞ?
発熱してるんだろ、早く横になってっ!」


リョクがそう言って僕をマットの上に有無を言わさずに寝かせてしまう。


え、と。


具合が悪いわけじゃ………ないんだけど、な。


だけど心配顔のリョクに、僕はマットの上でアルミホイルみたいなものに包まれて。


その上からリョクの上着をかけられてしまった。
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