花は野にあるように
「まだ、8時過ぎなんだ。」


すっごく眠ったような気がしていたから、もっと遅い時間になっているんだとばかり思っていた僕は、意外に時間が経っていなかった事に驚いた。


そして、ケータイのもうひとつの表示にアレ?と疑問が浮かんだ。


「ねぇ、リョク?」


確かめようと僕はリョクに話しかけた。


「んん?
どうかしたか?」


焚き火のそばに戻りかかっていたリョクは、僕の呼びかけで振り向いて、また目線を合わすように腰を落としてくれる。


そんなリョクの前に僕は自分のケータイを差し出して言った。
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