花は野にあるように
「そうか?」


リョクは納得できないような顔をしたままで僕を見詰めている。


だから、僕は笑顔に見えるように気を付けながらリョクに向かって笑って言った。


「ほんとだよ?
だって、うちの父さんは腕白な男の子と休日にキャッチボールするのが夢だったのに、僕はあんまり外で体を動かすのが好きじゃないし苦手だったから、口には出さなかったけど本当はちょっと僕に失望していた部分もあってね。
そんな僕が次のテスト休みに友達と山に行くって言ったもんだから、お友だちがいないみたいって悩んでた母さんも一緒になって大喜びだったんだよ?」
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