花は野にあるように
情けない話なんだけど、それは本当の話だった。


僕の両親は家で友達の話もしないし、誰かと遊びに行ったりとかもあんまりしない僕の事をおおっぴらにはしなかったけど心配していたって事を僕は知っている。


ふたりとも、僕を気遣って口に出さなかっただけで態度には表れていたから。


だから、僕が家でリョクの話をするようになって母さんは僕に友達が出来たみたいだって喜んだし、父さんは山に出掛けるなんていう以前に、アウトドアに興味を持ち始めたっていうだけでものすごく嬉しそうな表情になったんだ。
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