花は野にあるように
「そうは言うけどさ。
ミキの生声を直接聞いた方が安心できんじゃね?
遠慮とかしなくていいから、マジで使ってくれていいんだぜ?」


さっきよりは少し変な顔じゃなくなっているけど、やっぱり何となく心配そうな表情でリョクが言う。


そこまで言ってくれるならっていう気持ちはあるんだけど、ね。


「ありがと。
でもね、平日の8時過ぎなんて時間だと、まだふたりとも仕事中なんだ。
緊急事態ってわけでもないのに電話しちゃうと、却って心配させちゃうよ。」


僕が電話しないのは、そういう理由もあるんだ。


せっかく言ってくれてるのにごめんね、リョク。
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