花は野にあるように
「そう、か?」


それじゃあって言いながら、リョクは電話をポケットにしまった。


「あ、でも、連絡するなら遠慮とかしないで、いつでも言ってくれよな?
ホントに遠慮なんかしなくていいんだからな?」


リョクは念を押すように繰り返して僕に言ってくれる。


うん。


リョクがそう言ってくれる、その気持ちが嬉しいよ。


僕は感謝の気持ちを込めてリョクを見上げた。


「うん。
ありがと、リョク。
じゃあ、必要だと思ったら遠慮なく借りるね。」


僕のその言葉で、リョクはなんだか少し安心したみたいだった。
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