花は野にあるように
パカッと開いて、机の上なんかに立てることの出来るようになっている、手のひらより少し大きいその鏡をリョクは開いて、くの字にするとそのまま固定するように布を巻き始める。


「それ………どうするの?」


リョクの手元から目を離せないまま、僕は尋ねた。


「ん。
副え木の代わりに、な。
ただ、直角に固定出来そうなのがこれしかなかったからな。
万が一割れたときにミキの足を傷つけたりしないように、予防措置しておかないと。」


そんな風に答えてくれながらも、リョクの手は止まる事なく作業を進めていく。
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