花は野にあるように
「ちょっと触るけど、ゴメン。」


短くそう断ると、リョクは僕のはいていた赤いジャージをぐいっとめくりあげた。


「えっ!」


な、なにっ?


驚いて声が出せない僕に構う事なく、リョクはむき出しになった僕の、白くってちっとも筋肉のついていない足をタオルで拭き始めた。


「じ、自分でするよっ!」


慌てて僕はそう言ったんだけど。


「怪我してんだから、おとなしく俺にされるままでいて?
大体、自分でやると怪我してるとこ痛むぞ?」


僕の好きな低い声でそんな事囁くのって、反則なんだからねっ!
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