花は野にあるように
「ん?
そうか?
じゃ、テーピングが終わったら全身拭こうか?」


ニヒヒ、ってやらしい笑いを浮かべたリョクに言われちゃって、僕は湯気が出そうなぐらいに顔を熱くする。


「すっげえ真っ赤。
ミキってこーいうトコ可愛いよな。」


からかわれちゃって怒りたい僕なんだけど、足の指の間まで丁寧に拭いてくれるリョクの行為で、背中にゾクゾクとした強い感覚が走ってしまっていて。


油断してると恥ずかしい声が出ちゃいそうで。


声を上げないようにするのだけで、精一杯だった。
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