花は野にあるように
「は………ぁ。
ね、キス………して?」


薄く目を開けて目の前にあるリョクの顔を見ながら、僕の口からはそんな言葉がこぼれた。


それを聞いたリョクの眉根が、きゅうっと寄せられて。


でも、リョクは何も言わないで僕の座っている横に手をついて屈み込むと、そっと唇を合わせてくれた。


リョクの柔らかい口唇が、僕のそれを包み込むように動いて、乾いていたそこを潤すように舌がチロリ、と撫でていく。


「ふぅ………っん。」


鼻を抜けていく甘い声が転がり落ちていって、僕が座っている地面に吸い込まれていくような気持ちになる。
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