花は野にあるように
リョク以外に誰にも聞かれる事はないんだと思うと、僕の中のなにかを押しとどめていた部分が姿を消してしまって。


僕は自分から唇を開いて、リョクを迎えていた。


「んっ………あ、ぁ。
………んくっ。」


おずおずと開いた僕の口の中を、熱いリョクの舌が余すところなく侵していく。


その熱さが、僕の中にも移ってきて僕は自分からも舌を伸ばして絡める。


リョクの熱が。


その熱さが。


僕の口の中から、僕の中に流れ込んでくる。


「あふ………ん………。」
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