花は野にあるように
「っ!」


その途端に、リョクは弾かれたように身体を起こした。


深く合わされていた口唇から、急に熱が奪われていく。


もやがかかったように、考える力を失くしていた僕の頭にも、少し思考というものが戻って来ていた。


「あ………リ………リョク?」


そうっと、リョクに呼び掛けてみる。


急に、どうしたんだろう?


何かあったのかな?


それとも、あんまりはしたなくおねだりばっかりしている僕に呆れちゃった………とか?


だったら、どうしようっ!
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