花は野にあるように
不安な気持ちになってリョクを見上げた僕に、リョクは突然。


「ごめんっ!」


頭を下げて謝った。


え?


どうして?


「熱が出て、発情しているような気持ちになってしまっただけのミキにつけこむような真似してごめんっ!
ホント、怪我の処置もしてないのにごめん。
すぐに真面目に応急処置するからな?」


そう言ってリョクはささっと僕の右足首の所へと移動した。


そうして、さっきの鏡で作った副え木に、いつの間に用意していたのかっていうぐらいきちんと布でくるまれた木の枝らしきものをつけて、僕の足首へとあてる。
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