花は野にあるように
そんな僕の気持ちに気付いてはいないのか、リョクはテキパキと手際良く僕の足首を固定してしまって、そして笑って言った。


「汗もかいただろうし、身体拭きたいよな?
タオル洗ってくるから、ちょっと待っててくれよな?」


言うだけ言うと、焚き火の近くへと歩みよって溜めてある水でタオルを洗うと、さっきと同じようにお湯と水をかけて、軽く絞ってから手渡してくれた。


「背中拭くときは言って?
そこは代わりにやるから。」


僕の好きな笑顔と声にそんな風に言われちゃうと、僕はコクン、と頷く以外の返事が出来ない。
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