花は野にあるように
サラシ、巻いてたんだ。


女の子にしては厚くて、固い胸板に、以前に疑問を抱いていた僕はなんだか、すっごく納得していた。


そして、リョクが巻いていたサラシの布の端がなんだか千切れてしまっているようなのに気が付いた。


あれって、もしかして………?


「リョク、もしかして、この副え木を作る為にその布を使ったの?」


僕が見ていた事に気が付いていなかったのか、リョクはビクリと肩を震わせてからこっちを振り向いた。


「なんだ、見てたのかよ。」
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