花は野にあるように
もう少し、あの腕の中でいたかったなぁ、なんて。


ちょっと名残惜しい気持ちになりながらも、僕はリョクから渡されたシャツに腕を通して、そしてそれがさっきまで僕が着ていたのとは違う事に気がついた。


「ねえ、リョク?
シャツが違うよ?」


僕がそう言うと、立ち上がりかけていたリョクは中腰の姿勢のまま僕を見た。


「ん。
新しい着替え。
汗かいただろうし、そのままだと身体冷やしちまうからな。
熱が出てるなら、着替えておいた方がいいぞ。」
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