花は野にあるように
そんな風に言われても、僕は自分がどんな表情してるかなんて見えないし、リョクが言うみたいに可愛いだなんて、自分の事を思ったりした事なんてないし。


自分の事を生肉と思った事なんて、もっとないし。


リョクが虎みたいだっていうのは、良くわかるけど………。


そんな事を考えながら僕が黙り込んでいると、リョクは大きな手で僕の頭をぽん、と軽くたたいた。


「そーゆー顔も、そそるからダメだっての。」


少し笑いながら言ってるけど、リョクは本気で言ってる気がする。


でも、僕にはそんなつもりなんて、これっぽっちもないのに。
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