花は野にあるように
「え、悪いよそんなの。
それに、さっきまで僕が着ていたの、洗って返すから………。」


「いいよ。
どうせ俺のシャツだし、洗うのなんてたいした手間じゃないしな。
それより何か腹に入れた方がいいぞ。
どれがいい?」


僕の言葉をさえぎって、リョクは袋の中から、携帯食をいくつか取り出す。


僕はとりあえず、クリームチーズをサンドしたタイプのクラッカーサンドを選んで袋をリョクに返しながら、でも、と言葉を返した。


「借りたのに、そのままで返しちゃうなんてダメだよ。
ね、僕の荷物に入れて持って帰るから、さっきのシャツ出して?」
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