花は野にあるように
けど、リョクは笑顔を浮かべたまま首を横に振った。


「いいんだってば。
それよりも、それ食べろよ。
その間に、もいっかい水汲んで来るからさ。」


ええっ!


僕はリョクのその発言が信じられなくて、ちょっとこだわりかけていたシャツの事をすっかり頭から飛ばしてしまった。


だって、僕達の居る所はリョクのおこしてくれた火のお陰でだいぶん明るいけど、そうじゃないところはすっごく暗くて。


水を汲んで来るって言ったら、昼間に僕達が降りた川まで行くって事だよね?


暗い中であの道を往復するのって危ないじゃない。
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