花は野にあるように
「ん。
そっか、そうだよな。
ミキ、山なんて初めてだもんな。
気が回らなくてゴメン。
んじゃ、ずっとミキのそばに居るよ。
ミキが眠るまで………いや、ミキが眠っている間も。
ずっと、な。」


僕の好きなリョクの低い声が、そんな言葉を僕に向かって紡いでくれる。


なんだか、小さい子供が駄々をこねているのを、あやされているようで少し恥ずかしい僕だけど、それでもリョクのその言葉は素直に嬉しかった。


「うん。
ありがと、リョク。」


ちょっぴり照れて小さい声で言いながら、僕はリョクに向かって笑って見せる。
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