花は野にあるように
「礼を言われるトコじゃないよな。
どうしてもっと早く気付けないんだって責められるトコだよな。」


リョクはそんな風に言うけど、ちっともそんな事ないと思うよ。


どっちかっていうと、我儘言うんじゃないよって僕の方が怒られるトコだと思うな。


そう思うから、僕は握っているリョクの服をもう一度キュッと握りしめてから、手を離してリョクに言った。


「僕の方こそ、いろんな事を甘えちゃってゴメンね。」


本当に何もかも。


リョクにお世話になりっぱなしだし、甘えっぱなしな僕だよね。
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