花は野にあるように
「うん。
僕は大丈夫。
スープも無事だよ?
だからさ………ふたりで一緒に飲もうよ。」


手の中のコップをリョクに見せながら、僕はそう言ってリョクの腕の中から抜け出した。


そして、座っている場所を少し移動してみる。


右足に体重をかける時は、ちょっとだけこわかったけど、でも。


痛みはほとんどなくって、思ったよりすんなりと僕は移動できた。


「ミキ、無理に動かしちゃ………。」


「ううん。
大丈夫だよ。
ね、リョク、ここに座ってよ。」


空いたシートの上を指差しながら言う。
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