花は野にあるように

そんな風に笑うリョクに、僕はビックリしながらも、なんだかすっごくリョクらしくって、僕まで笑い出してしまった。


そして僕の隣に座ってくれたリョクに身体を預けながら、さっきもらったクリームのはさまったクラッカーサンドの包みをあけて、中のひとつを取り出した。


はむ、と頬張ると、ふんわりと大地の香りがして豊潤な味が口の中に広がる。


「………美味しい。」


初めて食べたけど、すっごく美味しい。


じんわりと広がる甘味をしっかりと噛み締めながら、僕は今度から、父さん達の夜食用に用意しておこうって思っていた。