花は野にあるように
「おとなしく寝ろよ?」


念を押すようにリョクはまた言いながら、僕をさっきと同じように断熱シートでくるんでくれた。


「うん。
………でも、リョクは?」


リョクはどこで寝るの?


「心配すんなって。
ちょっと柔らかい草を集めてあるし、火のそばなら冷えないしな。
すぐそこにいるから、何かあったら絶対に声かけろよ?」


僕を安心させるように、リョクはそう言って、僕の頭を撫でてくれた。


なんだか、子供扱いされて誤魔化されたような気もするんだけど、まぁいいや。
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