花は野にあるように
だからだと思うんだけど。


みどり色のあたたかい波にたゆたっている、ちいさな魚になっている夢を見ていた僕は。


顔にあたるお日さまの光の眩しさに目を覚ました時に、一瞬此処がどこなのか、と考えてしまった。


「お。
タイミング良く目が覚めたな。
おはよう。
体調はどうだ?」


目をぱちくりとさせている僕に、リョクが声をかけてくれる。


「あ、おはよ。
………って、此処………?」


ぼんやりとしながらあたりを見回しているうちに、僕は昨日からの事をはっきりと思い出した。
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