花は野にあるように
「ん?
どうした?
頭でも痛むか?」


ほんの少し寝ぼけてぼんやりとしていただけなのに、リョクはすごく心配そうな表情を浮かべて、僕のそばへとすぐに近寄ってきた。


そうだ。


昨日、僕はリョクとふたりで此処に来て、うっかり怪我をしちゃって野宿をすることになったんだったっけ。


「あ、ち、違うよ。
ちょっと寝起きでぼんやりしただけだって。
大丈夫だよっ!」


僕は慌ててリョクに言うと、急いで起き上がった。


「あ、そんなに慌てなくっても。」


リョクの声がかけられる。
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