花は野にあるように
ひとりで、そう決めながらリョクはその大きな身体を折り畳む様にして、僕の前に片膝をつく。


そして、まるで女王様の前で誓いを立てる騎士のようにおごそかに僕に頭を下げると、片手を上げて言った。


「わたくし、こと、大地緑風は今後一切、苑生美樹が嫌がるような事はいたしません。
そして、美樹を全ての害悪から護ることを、天の神、地の神、森の神、そして全ての神の前に誓います。」


よく通る声で朗々と宣言したリョクは、ただびっくりしたままの僕の手を優しく取って、手の甲にそっとキスを落とした。
< 59 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop