花は野にあるように
「それだけ?
足も昨日より痛くなったりしてないか?
他に痛いとこは?
気分悪くなったり………。」


「大丈夫だってば。」


黙って聞いていたら、ずうっと続きそうなリョクの言葉をさえぎって、僕は笑って見せた。


「今はうっかりしていたから痛くなっちゃったけど、動かさないで普通にしている分には、ほとんど痛みは感じないよ?
だから、そんなに心配しないで?」


そう言う僕の顔を覗き込むようにして見ていたリョクは、フッと笑って言った。


「つい、勢い込んで聞いちまうな。
ミキは子供じゃないから自分で言えるのに。」
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