花は野にあるように
そんな気持ちが顔に出たのかな。


「そんなに笑う事ないだろ。」


拗ねたような口調でリョクが言う。


「あ、別にリョクの事を笑ったんじゃないんだってば。」


僕は慌ててリョクに言いながら、立ち上がろうとしているリョクの腕にぶら下がるようにして引き止める。


「おわっ。
あぶねっ!
ミキ、あぶねえって。」


バランスを崩しかけながらも、リョクは踏みとどまって僕の上に倒れないように気遣ってくれる。


「ご、ごめんなさい、リョク。
大丈夫?」


尋ねる僕の肩に手を置いて、身体を起こしながらリョクは頷いた。
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