花は野にあるように
リョクの言葉で、その事に気づいて僕は聞いてみた。


「ん。
まぁ、そう言ったってほとんどの部分は専門の人がする仕事だもんな。
俺に出来たのは、ティーバッグの持ち手と糸をくっつける仕事ぐらい。
んでも、工場は紅茶の香りが満ちていたし、職人は自分の仕事にプライド持ってやってたし。
また行きたい場所だな。」


ちょっと遠くに視線を飛ばしながら、リョクは懐かしそうに言う。


「そっか。
リョクにとっては、思い出の場所で思い出の味なんだね。」


そんなに、リョクにとって大切な品なら、大事に飲まなくっちゃね。
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