花は野にあるように
「ん?
見えないか?
あぁ、今ちょっと影に入ったからな。
見えにくいか。」


いや、あの、そういう問題じゃないから。


「おっと。
それじゃ、撤収の用意しておかなきゃな。
火だけ残しておいて、と。」


リョクはそう言いながら、焚き火の周りを片付け始めた。


「あ、僕も手伝うよ。」


そう言って立ち上がろうとした僕を、リョクは押し止めた。


「ミキはいいから、親父の来るのを見ていて?
あんまり早く着くような感じなら、教えてくれる?
片付けのピッチ上げるから。」
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