花は野にあるように
えと。


どのくらいのスピードなら、早いんだろう?


なんだか、さっきよりもひとまわり大きく見える人影を見つめながら僕は考えた。


「ねえ、リョク?
どれぐらいの距離に近付いたら言えばいいの?」


その人影から、目を離さないままで訊いてみる。


「んー。
そうだな、ミキの片手より少し大きいぐらいに見えるようになったら、だいぶん近いな。
それぐらいに見えたら教えてくれる?」


リョクからは、そう言われたんだけど。


「もう、両手広げたぐらいのサイズに見えるんだけど?」
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