花は野にあるように
僕がそう言っている間にも、人影はどんどん大きくなっていて。


そしてあっという間にすぐ近くまで到着していた。


「おっ!
早いじゃねぇか、親父。」


リョクが振り返って、声をかける。


でも、リョクのお父さんは返事をする事もなく、こっちへ向かってきていた。


すっごく急いでいるみたいだね。


それにしても。


リョクと、リョクのお父さんってすごく良く似ているなあ。


さっきより距離が近くなって、体つきや顔なんかが僕の目にも見えるようになったんだけど、本当にふたりは良く似ている。
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