花は野にあるように
ち、ちょっと息苦しい………かも。


僕がそう思ったとき。


「ミキから離れやがれ、くそ親父。」


唐突に、リョクの声がすぐそばで聞こえたかと思うと、僕の事を抱き締めていた腕が外されて急に視界が開けた。


見ると、リョクがお父さんのリュックに乗り上げるようにして押さえつけていた。


あ、そんな事するとシャツが引っ張られて、お父さんの首が絞まっちゃうよ。


「リ、リョク。
首が絞まっちゃうってば。」


危害加えちゃ、ダメだよ。


なんていう僕の心配をよそに、ふたりは組手でもするように向かい合って対峙した。
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