花は野にあるように
「え、でも。
そんな、誓うとか神様だとか、そんな大変な事にしなくったって………。」


「いいんだ。」


僕があたふたと言い掛けた言葉をさえぎるようにリョクは言って、僕の唇を指で封じた。


「誓いは簡単にするものじゃないし、誓った言葉には命を賭けてでも守り通す根性が必要だけど………それでもお前を護りたいと思えるぐらい、気に入ったんだ。」


そう言いながら僕の首筋をなであげる、リョクの手から伝わる刺激に耐えきれなくて、僕は目を閉じてしまった。


「………すっげぇ、そそられるんだけど。」


小さく笑いながら、リョクはそう言った。
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