花は野にあるように
視線を絡めるように合わせて。


リョクの熱い吐息から逃げられないぐらいの近距離からそんな風に言われて。


僕には頷いて了承の意を示す以外の選択肢を見つけることは出来なかった。


「俺に運ばせてもらえる?
良かった。
じゃ、しっかり掴まって。」


「あ………うん。」


返事をしながら僕はリョクの広い背中に身体を預けて、そのがっしりとした肩に手をかけた。


「ん?
手は首にかけて?
でないと安定しないから。」


そうは言うけど。


リョク。


すっごく、恥ずかしいよぅっ!
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