花は野にあるように
「んじゃ、帰るか。」


僕のそんな気持ちなんて伝わっていない感じのリョクが、明るい声をあげる。


「親父、荷物よろしくな?
そういや、親父の持ってた荷物、あそこにおいたままだぜ?
何か持ってきたのかよ。」


リョクの言葉を聞いて、何かを思い出したかのようにリョクのお父さんは声を上げた。


「そうだ。
ミオさんから、言われていたんだった。
子供達に会ったら、一番始めにあげてねって。」


そう言って、リョクのお父さんは荷物の中から小さなケースを取り出した。
< 617 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop