花は野にあるように
「水はきっと調達してるだろうし、車にも積んできてあるけど、とりあえずの糖分はあった方がいいだろうからって、ミオさんが持っていけって言ったんだ。」


「ん?
渡されたんじゃなくって?
親父、オフクロと会ってないのかよ?」


リョクが何かに気付いて言う。


「会ってない。
空港のゲート出たところで連絡もらってそのまま此処へ来た。
だからまだ、ミオさんの声しか聞いてない。」


不満そうに言うリョクのお父さんは、そうやって話しながらも僕とリョクの口の中に、親指の先ほどの大きさのものを入れてくれる。
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