花は野にあるように
「んんっ。
ひょふ、ひょへっへ………?」


リョク、これって何?


って聞こうと思ったんだけど、ちょっと大きな塊が入った僕の口はきちんと発音できなくて、なんだか間抜けなろれつの回らない言葉を言ってしまった。


それでもリョクには伝わったらしくて。


「ん。
こーりざとーだよ。」


ちょっと言いづらそうにしながらも、リョクは答えてくれた。


そうして、んしょ、と言いながら僕を背負ったまま立ち上がる。


「ゆっくり、溶かすようにして食べるんだぞ?
噛んじまうなよ?」


少し笑いながらリョクはそう言った。
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