花は野にあるように
氷砂糖?


そっか。


口の中にじんわりと広がる優しい甘さが、身体に染みわたっていくような感じがする。


僕はリョクの背中に揺られながら、口の中から広がる素朴な感じの幸せにひたっていた。


「馴れない野宿なんかしてるから、身体は疲労回復の為に糖分を欲しがるからな。
美味いって感じるんなら、疲れてる証拠だぞ?
眠れないかもしれないけど、目を閉じてろよ。」


リョクがそう声をかけてくれる。


いくら授業中によく寝てる僕でも、さっき起きたばかりなのに、眠くはならないよ。
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