花は野にあるように
「………ひどい。」


僕の抗議に、細かく揺れていたリョクの肩が、大きく揺れた。


「だってさ、親父がいかにもな感じで言うからっ!」


すっごく笑い出すのを堪えてるって感じでリョクが言う。


もうっ!


ばかぁっ!


僕は、リスやハムスターじゃないんだってばっ!


ひまわりの種、かじったりしないんだからねっ。


口を尖らせて、憤慨した僕はリョク達に口もきかないで、リョクの背中へ顔を伏せて眠る振りをした。


もう、口きいてあげないもんねっ!


ふーんだっ!
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