花は野にあるように
自分の中に生まれている、育ってしまうとコントロール出来なくなりそうな、衝動的な感情の事は考えないように目を逸らせて。


動物の赤ちゃんが、親に甘えるように。


ただ、与えられる優しさを享受して。


幸せな気持ちだけを感じて、僕は山を降りる間の時間を過ごしたいと。


そう思ったんだけど。


登ってきた時にかかった時間の半分以下で、リョクはあっさりと登山口へと到着してしまう。


いくら下りで、山道に馴れているからっていっても、僕を背負っていてこんなに早いなんて、すごいや。


それとも、僕の登るのがそんなに遅かったってこと?
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