花は野にあるように
「んじゃ、ちゃんと診てもらった事だし。
もう家まで送ってもらうか。
ミキも家でゆっくり寝た方がいいだろ?」


僕を膝の上に乗せたまま、リョクが囁くように言う。


「え?
あ、うん。」


そうだよね、明日は登校日だから早く帰った方が良いよね。


「んじゃ、帰るか。」


リョクはそう言って、僕を抱いたまま立ち上がる。


「おや、力持ちだね。
だけど………。」


「センセ、わかってるって。
安静に、だろ?」


ニコニコとしながら言いかけたお医者さんの言葉を、リョクがさえぎるように言葉を返した。
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