花は野にあるように
「じゃ、また来るから。」


そんな挨拶をお医者さんに残して、リョクは長い足でスタスタと診察室を出る。


もちろん僕はその腕に抱かれたままで。


「えと。
あ、あのね、リョク。
僕、自分で歩けるから………。」


おずおずとリョクを見上げて僕は言い出したしてはみたんだけど。


「んん?
ダメダメ。
センセも言ってただろ?
安静にってな。
ミキに怪我させた責任は俺にあるんだし、俺に償いさせてくれないか?」


つ、償いとかはいらないんだけど。


リョクにそんな風に囁かれると僕は頷く以外の返事が出来ないんだってばっ!
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