花は野にあるように

27

朝、いつも迎えに来てくれるリョクの姿が玄関の外になかった時点から、おかしいな、とは思っていたんだけど。


昼休みになっても、リョクは教室に姿を見せなくて。


そして僕は、間抜けな事にリョクの携帯の番号も知らなかった自分に気付かされていた。


リョクはいつだって僕のそばに居てくれたから。


携帯に掛ける必要なんてなくて。


僕は番号もメルアドも知らなかったんだ。



僕はなんて、間抜けなんだろう。


そんな迂闊な自分に腹が立っちゃうよ。
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