花は野にあるように
「ん。
と。
えー。」


言葉にならない、唸り声だけを上げながら頭を掻いているリョクのお父さんの後ろで、少し開いたままだった扉が大きく開けられた。


「あなたが答えられないというのなら、代わりに私が答えましょうか?」


凛とした声で僕達の会話に、そう言って入ってきた人物は。


「理事長先生っ!」


リョクのお祖母さんにあたる、うちの学校の理事長先生だった。


「あなたにも、知る権利はあるというのに。
まったく、婿殿と緑風は仕方のない。」


ふう、と。


あからさまな溜め息をついて、理事長先生は僕の知りたかった事を教えてくれた。
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