花は野にあるように
そんな怪我をした身体のくせに。


リョクは僕が寝ている間に野性動物なんかが近付いたり、僕の身体が冷えたりしないようにって一睡もしないで一晩中火を焚いていてくれたんだって理事長先生は言っていた。


リョクの怪我は本当は息をするのにも痛くて、今日の登校をお医者さんに止められたんだっていうことも。


そんな事を聞いて、僕は思い当たるいくつかの出来事を思い出した。


効き目の強い鎮痛剤と、穏やかな効き目の鎮痛剤。


ふたつの内、僕がもらったのは穏やかな効き目の方。


じゃあ、効き目の強い方は誰が飲んだの?
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