花は野にあるように
「すごく、熱上がってる感じだし。
ミキ?
ホントに大丈夫なのか?
風邪とかひいたりしたんじゃない?」


ちょっと心配そうなリョクが僕の顔を上げさせて、額をくっつけてくる。


あ、あっ!


近いよ。


リョクの顔が鼻が引っ付いてしまいそうなぐらいに近くて、僕の顔がもっと熱くなっちゃうよ。


「………ミキ?
聞こえてる?」


すぐ近くから聞こえているはずのリョクの声がなんだか遠くから聞こえているような気がする。


「………危ない。
倒れるぞ。」


突然、リョクのお父さんの声が聞こえて。


僕はリョクのじゃない、だけど同じぐらいに太くて逞しい腕の中に抱き止められていた。
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