花は野にあるように
「ミキッ!」


リョクの声が鋭く響いて、僕の肩が揺すぶられる。


「あ………あれ?」


「あれっじゃねぇって!
ミキッ!
俺がわかるっ?」


リョクの声が視界の霞んだ僕の耳に鋭く響く。


「え、あ、うん。
リョク、大丈夫だから………。」


気にしないでもって言いかけた僕の事を、またリョクの声が貫く。


「倒れそうになってんのに、大丈夫なわけないだろっ!
そんな風に遠慮なんてするなよっ!」


一生懸命に言ってくれるリョクだけど。


僕は首を振って言った。
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